食品衛生のプロ、ミスター0がゆく!
中国産冷凍食品(冷凍かつ)からホレートを検出
平成20年2月20日に発生した、中国産冷凍食品(冷凍かつ)からホレートを検出したことを受けて、このほど、厚生労働省を通じ、横浜市と生活協同組合連合会 ユーコープ事業連合は、対象商品の迅速な回収を目的とした報道各社に対する文書でのプレスリリースが行われました。
加工食品の品質表示について一問一答
それにしても今の日本には、加工食品が本当に多いですね!
加工食品の増加に伴い、比例して増えているのが食品偽装および食品表示偽装です。
この問題に関しては、昨年が食品偽装のピークという見方もある中、まだまだこれは氷山の一角という考え方もあります。
このほど先月、農林水産省より「加工食品の品質表示基準に関するQ&A」が公開されましたので、一問一答、興味深くチェックしてみてください!
忘れてはならないノロウイルスの猛威!
連日、中国産冷凍餃子の報道が出ていますが、忘れてはならない驚異が、ノロウイルスによる食中毒です。
このほど、厚生労働省より発表された最新情報によると、平成19年度の年次速報値でノロウイルスによる食中毒患者数は、なんと13,602人、その内飲食店からの発生患者数が、これまた驚きの6,261人なのです。
実に全体の46%の発生率なのです。
飲食店厨房での調理担当者の方には、特に正しい手洗いの徹底に気を付けていただきたいと思います。
中国産冷凍餃子から検出されたジクロルボスについて
今日は、2月5日中国産冷凍餃子から検出されたジクロルボスについて解説いたします。
ジクロルボス(dichlorvos)は、メタミドホスと同じく有機リン化合物の殺虫剤です。
日本では、メタミドホスのように使用できない物質ではなく、原体は劇物として毒物及び劇物取締法、製剤は薬事法の劇薬に指定されており、農業用は農薬取締法により扱いなどが規定されている物質です。
我々のように食品衛生の指導的立場の人間は、主に食品工場内の害虫駆除用の薬剤として使用している事例が頭に浮かびます。
具体的には、揮散(蒸散)性が高く、残効性は低いため樹脂へ含浸させた蒸散型の殺虫剤などの衛生害虫用殺虫剤成分として用いられています。
万一、体内に取り込んでしまった場合には、その吸引量により異なりますが、メタミドホスなどの有機リン化合物と同様、倦怠感・頭痛・吐き気・腹痛・下痢などの症状があらわれ、重度の場合には死に至る可能性もあります。このような症状が起きた場合には、ただちに医師の診断を受けてください。
中国産冷凍餃子事件にみる工程管理の重要性!
連日、繰り返しテレビ・新聞等で報道されている「中国産冷凍餃子の食中毒事件」ですが、未だその真相は闇の中です。
果たして真相は明らかになるのでしょうか?
1日も早い原因究明が急がれる今回の事件ですが、今回の事件を日本の食品加工会社(食品工場)の立場で捉えた場合、一体どのような教訓があるのでしょう?
今回の事件が故意なる過失による原因と言う考え方を除き推察すると、HACCPの概念が先ず頭をよぎります。
具体的には、原料の受け入れ段階から最終製品の出荷までの全ての工程において、製品を造る上での危害となるものすべてをピックアップし、それがどのような危害を及ぼすのかを分類、分析し、重要な管理箇所(CCP)として、その工程で確実に危害を排除した上で、次の工程へ進むという基本的な考え方です。
この考え方を源泉にすれば、危害をもったままで最終製品となることはありません。
もちろん、各工程で発生した危害やその改善のために実行した方法はすべて記録して保管することも重要です。
このような流れがあれば、必ず工程の中でひとつひとつ安全な品質が作りこまれていくのです。
HACCPは、認証を受けることが重要ではなく、日々の実践の中で品質が作りこまれてこそ価値のある食品安全の手法なのです。
万一、このような流れが確立されていない場合には、一度、HACCPの概念を取り入れた工程管理の製造を、できるところから優先順位を決めて実践してみてはいかがでしょうか?