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食品衛生のプロ、ミスター0がゆく!

油断大敵!春のノロウイルス食中毒



4月も中旬以降ようやく春の気候になってきましたが、そんな中、先週4月21日埼玉県で恐ろしい集団食中毒事件が発生た。

毎日新聞の記事によると、埼玉県は1日、同県の某大学・付属高校構内にある学生寮で食事をした16~21歳の寮生男女60人が、下痢や腹痛などの症状を訴えノロウイルスによる食中毒を発症したと発表した。

いずれも寮内の食堂が調理したオムレツ、八宝菜、みそ汁などを食べていたとみられるが原因食材は特定されていない。同県は21日から3日間の営業停止処分とした。・・・

ということだ。

まず、この食中毒事件の原因物質が、「ノロウイルス」であることが第一のポイントである。

今回の食中毒事件では、患者の検便検査で腸内から「ノロウイルス」が検出されている。このノロウイルスは、一般的には「冬」の食中毒原因物質とされているが、実は実際のデータを分析するとそうとは言えないのである。確かに、冬を中心に食中毒のピークを迎える傾向はあるが、実際のところ1年中ノロウイルスの食中毒は全国各地で発生している。

ノロウイルス=冬  という解釈は、しないほうが良い。

次に、このノロウイルスは、原因物質を特定することが非常に困難であるということ。一般には、「牡蠣」や「はまぐり」などの二枚貝が原因食材として特定されているが、実際のところ、調理者が保菌者(腸内にノロウイルスを保菌している者)である場合、その保菌者の手指を介して二次汚染してしまうケースがある。

特に、用便(トイレ)の後の手洗いが不十分なまま調理を行うと、包丁・まな板・布巾・・・そして食材へと、どんどん二次的な汚染が拡大していくのである。もう。そうなってくると原因食材の特定などという範囲を超えてしまうのである。

最も重要なことは、「正しい手洗い」を正しいタイミングで励行することです。牡蠣やはまぐりの責任にする前に、手洗いをしっかり行うことが衛生管理の基本となるのです。


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