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食品衛生のプロ、ミスター0がゆく!

可愛い園児たちをノロウイルスから守るための予防法



平成20年5月17日の毎日新聞の記事により明るみに出た、高知県四万十市立の保育所の給食が原因とみられるノロウイルスによる集団食中毒事件についての予防対策を詳しく解説いたします。

今回の事件の発生を受けて県保険所は、3日間の給食調理を自粛し、厨房(ちゅうぼう)などの消毒をした。

問題は今後どのような予防対策を実施し、給食を再開させるのかということなのです。

今回と同様の食中毒は、すでに全国各地で発生しているのですが、結局のところ過去発生した食中毒事件の教訓が生かされることなく、その後も今回のような食中毒が発生し続けているのです。


先ず、ノロウイルスについてですが、既に冬に限定した食中毒原因物質ではないということを再認識すべきです。
次に、ノロウイルスは、カキや二枚貝だけが原因で発生するという認識も改める必要性があります。

今回のように、原因食材の中にカキや二枚貝の含まれていない給食(鶏料理や、タマネギ、モヤシなどを使ったゴマ酢)からも発生しているのです。
そして、最も重要な予防対策についてですが、

第一に調理者の健康管理です。調理を行う人が発熱・下痢・嘔吐または、その他体調不良の場合は、調理作業を絶対にさせないことです。いわゆる保菌者からの二次感染がおこることを事前に予防するということです。

第二に、調理室に入室する前、および調理作業を行う前には、必ず「正しい手洗い」を励行することです。同じく二次感染を予防するためです。

第三に、生鮮食材を調理する前には、十分な洗浄とすすぎをおこなうことです。特に魚介類の洗浄は大切です。また、サラダ・和えものなどのように加熱しない料理には、特に注意が必要です。

第四に、包丁・まな板・布巾などの調理用具は、調理前にアルコール除菌剤ウイルス予防型の除菌剤でしっかり除菌してから調理を行うことです。これも二次汚染予防のためです。

最後は、調理室の床面・排水溝・ごみ箱・シンクなどをしっかり清掃し、室内環境からの二次感染を予防することです。


以上の5つの予防対策をしっかり把握し、それをマニュアル化し実践してこそ本来の予防対策になります。他で発生した食中毒事件を如何にして教訓としていくかが大切なのです。


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