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セレウス菌による食中毒の予防対策について




平成20年7月9日の産経新聞で報じられたセレウス菌による食中毒の予防対策について詳しく解説いたします。

先ず、今回の食中毒の原因食材は、「五目チャーハン」です。
ここが第一のポイントとなります。
なぜならば、セレウス菌は農作物(穀物)を汚染しているため、米や小麦を原料とするチャーハン、ピラフ、オムライス、スパゲティー等が原因となりやすいからです。

今回の食中毒は、残念ながらセレウス菌の穀物汚染を由来とする典型的な食中毒事件なのです。

では、どのようにすれば、セレウス菌の予防対策ができるのでしょうか?

それは先ず、一度に大量の米飯やめん類を調理し、作り置きしないことです。
その理由は、衛生管理上最も重要な「加熱」という殺菌工程が大量調理をおこなうことで調理食材の中心部にまで殺菌に必要な75℃以上の温度が行き届かない可能性があるからです。

次に、加熱調理後の保存については、小分けして短時間で低温保存(10℃以下)することです。
この理由としては、セレウス菌の増殖する至適温度が28~35℃であり、いったん増殖すると熱に強いカプセル状のような殻(芽胞)を形成し、通常加熱の75℃程度では殺菌できなくなるからです。



この重要な2つの対策を確実に実践することでセレウス菌による食中毒が予防できるのです。

今回の大手百貨店の惣菜売場で販売された「五目チャーハン」から発生した食中毒も、概ね推測の余地はありますが、ここで挙げた原因による予防対策の不備があったのでないかと考えます。


さらに詳しいセレウス菌についての解説は、こちらから。


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