食品衛生のプロ、ミスター0がゆく!

食中毒予防は、モラルが大切!

平成20年3月11日の毎日新聞の記事によると、愛媛県が10日、今治市大三島町宮浦の飲食店が提供した会席料理を食べた13人(30~83歳)が、下痢やおう吐などの食中毒症状を起こしたと発表した。

県今治保健所は庫の飲食店を同日、8日間の営業停止処分にした。

また、県薬務衛生課によると13人は8日に昼食を食べ、入院患者はなく、全員快方に向かっているという。

しかし、驚いたことに同店では先月24日提供した料理でなんと50人が腹痛などの症状を訴え、患者の便からはノロウイルスが検出されたため、同29日から5日間の営業停止処分を受けており、今回の食中毒はその矢先の出来事であった。

営業停止処分中、一体どのような改善を行っていたのだろうか?営業停止処分の本来の意味を理解していたのだろうか?、飲食店の衛生管理に対するモラルが問われる今回の食中毒に対し、停止処分を行った県の指導体制にも疑問を抱かずにはいられない・・・そんな食中毒事件であった。

ノロウイルスの食中毒予防に関する詳細はこちら

ヒスタミンによる食中毒について

ヒスタミンによる食中毒と言えば、頭にすぐ浮かぶのもが、鮮度の落ちた「魚のフライ」です。

主に魚介類または魚介類を加工した食品の鮮度が落ちるとヒスタミンが多く生成されやすくなります。

このヒスタミンが多く生成され鮮度の落ちた食品を食べることで起こる症状が、ヒスタミンによるアレルギー性食中毒なのです。

具体的な症状は、喫食後約1時間程度で舌のしびれが起こり、皮膚への発疹(かゆみ)を伴う吐き気と倦怠感に襲われます。症状があらわれてからは、通常1~2日で症状は治まりますが、その間、下痢と腹痛を伴う状態となります。

肝心の予防対策としては、やはり新鮮なうちにできるだけ早期に食べることです。加工食品の場合は、消費期限内を目安にして食べることです。

また、魚介類を購入後(調理後)の保管は、冷蔵状態を維持し短期間で食べることです。特に、ヒスタミンは、熱に分解されにくく一度生産された状態で残ってしまう点と、一般的な腐敗臭が出ないことから臭いでは判断しにくい点がヒスタミンの特徴とも言えます。

魚介類または魚介類の加工品を食べている途中に、舌がしびれるような症状が出た場合は、残っている該当食材を食べずに、速やかに医師の診察を受けてください。

そして、残った食材は、即時廃棄せず、医師の診断及び指示に従って処置を行ってください。

中国産冷凍食品(冷凍かつ)からホレートを検出

平成20年2月20日に発生した、中国産冷凍食品(冷凍かつ)からホレートを検出したことを受けて、このほど、厚生労働省を通じ、横浜市と生活協同組合連合会 ユーコープ事業連合は、対象商品の迅速な回収を目的とした報道各社に対する文書でのプレスリリースが行われました。

プレスリリースされた本文の詳細は、こちらから

加工食品の品質表示について一問一答

それにしても今の日本には、加工食品が本当に多いですね!

加工食品の増加に伴い、比例して増えているのが食品偽装および食品表示偽装です。

この問題に関しては、昨年が食品偽装のピークという見方もある中、まだまだこれは氷山の一角という考え方もあります。

このほど先月、農林水産省より「加工食品の品質表示基準に関するQ&A」が公開されましたので、一問一答、興味深くチェックしてみてください!

「加工食品の品質表示基準に関するQ&A」はこちらから

忘れてはならないノロウイルスの猛威!

連日、中国産冷凍餃子の報道が出ていますが、忘れてはならない驚異が、ノロウイルスによる食中毒です。

このほど、厚生労働省より発表された最新情報によると、平成19年度の年次速報値でノロウイルスによる食中毒患者数は、なんと13,602人、その内飲食店からの発生患者数が、これまた驚きの6,261人なのです。

実に全体の46%の発生率なのです。

飲食店厨房での調理担当者の方には、特に正しい手洗いの徹底に気を付けていただきたいと思います。

ノロウイルスに関する詳しい情報は、こちらから

ノロウイルスに関するQ&Aはこちらから

中国産冷凍餃子から検出されたジクロルボスについて

今日は、2月5日中国産冷凍餃子から検出されたジクロルボスについて解説いたします。

ジクロルボス(dichlorvos)は、メタミドホスと同じく有機リン化合物の殺虫剤です。

日本では、メタミドホスのように使用できない物質ではなく、原体は劇物として毒物及び劇物取締法、製剤は薬事法の劇薬に指定されており、農業用は農薬取締法により扱いなどが規定されている物質です。

我々のように食品衛生の指導的立場の人間は、主に食品工場内の害虫駆除用の薬剤として使用している事例が頭に浮かびます。

具体的には、揮散(蒸散)性が高く、残効性は低いため樹脂へ含浸させた蒸散型の殺虫剤などの衛生害虫用殺虫剤成分として用いられています。

万一、体内に取り込んでしまった場合には、その吸引量により異なりますが、メタミドホスなどの有機リン化合物と同様、倦怠感・頭痛・吐き気・腹痛・下痢などの症状があらわれ、重度の場合には死に至る可能性もあります。このような症状が起きた場合には、ただちに医師の診断を受けてください。

中国産冷凍餃子事件にみる工程管理の重要性!

連日、繰り返しテレビ・新聞等で報道されている「中国産冷凍餃子の食中毒事件」ですが、未だその真相は闇の中です。

果たして真相は明らかになるのでしょうか?

1日も早い原因究明が急がれる今回の事件ですが、今回の事件を日本の食品加工会社(食品工場)の立場で捉えた場合、一体どのような教訓があるのでしょう?

今回の事件が故意なる過失による原因と言う考え方を除き推察すると、HACCPの概念が先ず頭をよぎります。

具体的には、原料の受け入れ段階から最終製品の出荷までの全ての工程において、製品を造る上での危害となるものすべてをピックアップし、それがどのような危害を及ぼすのかを分類、分析し、重要な管理箇所(CCP)として、その工程で確実に危害を排除した上で、次の工程へ進むという基本的な考え方です。

この考え方を源泉にすれば、危害をもったままで最終製品となることはありません。
もちろん、各工程で発生した危害やその改善のために実行した方法はすべて記録して保管することも重要です。

このような流れがあれば、必ず工程の中でひとつひとつ安全な品質が作りこまれていくのです。

HACCPは、認証を受けることが重要ではなく、日々の実践の中で品質が作りこまれてこそ価値のある食品安全の手法なのです。

万一、このような流れが確立されていない場合には、一度、HACCPの概念を取り入れた工程管理の製造を、できるところから優先順位を決めて実践してみてはいかがでしょうか?

詳しくは、こちらからHACCPの概念を取り入れた衛生管理を参考にしてください。

焼き鳥から食中毒?・・・

焼き鳥から食中毒って発生するのですか?・・・

焼き鳥と言えば、鶏肉を炭火やガスなどの高温で表面を焼くから焼き鳥なのに。その焼き鳥から、食中毒が発生するのですか?・・・ある焼き鳥店様からの素朴なご質問がありました!

食品衛生のプロから見れば焼き鳥からも食中毒の発生する可能性は、ゼロとは言えません。もちろんその可能性はあります。

一番重要なことは、焼き加減にあります。焼き加減とは、焼く時間と焼く温度で決まります。もちろん、味を考慮した上でのことですが、ここが実は一番難しいところなのです。

要は、味を落とさず焼きすぎず・・・なのです。

例えば、生の鶏肉の鮮度が落ちている(菌数が高い)場合、簡単に表面を炙るだけの焼き方では、中心部に熱が伝わらず、半生の状態になります。この状態では、肉自身が持っている菌数が下がらず、万一の場合、発病菌量に達した場合には、食中毒を発生させてしまう恐れがあるのです。

毎日、生の鶏肉を仕入れて捌き、一本づつ串に仕込んでいく場合はまだしも、冷凍肉を使う場合には、解凍する工程が重要なポイントとなります。解凍段階で菌数を増やしてしまい鮮度が落ちた状態のまま表面だけを軽く炙るだけでは、やはり菌数が高く味も落ちてしまいます。

近年では、串に刺した焼き鶏の状態として冷凍し流通しているものもありますが、やはり、この手の焼き鳥も生命線は、同じこと加熱工程をしっかり管理し調理することが安全な食品の提供につながるのです。

ちなみに、焼き鳥から過去発生した代表的な食中毒原因菌は、カンピロバクターが挙げられます。

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